ずっと気になっていた
似鳥美術館に
行ってきました。
2016年にできた似鳥(ニトリ)美術館、あの総合家具メーカーのニトリの美術館です。北海道札幌市はニトリの創業の地でもあります。ここはガラスの街小樽にちなみステンドグラスも有名ですが、それよりも美術館に日本の絵画の巨匠と言われる人たちの作品が揃っていてびっくりしました。見ごたえがあります。そして丁度素描の神様と呼ばれる小磯良平の挿絵の企画展(~6月27日)が行われていて余り時間がないので思い切って平日の人の少ない時間帯をねらって行ってきました。
1階でステンドグラスを見て地下1階のアールデコ、アールヌーボーのグラスの収集品をゆっくり楽しみ3階4階の巨匠の絵画に圧倒され時間があっという間に過ぎ最後は駆け足になってしましました。(緊急事態宣言のため時短開館になっています。)
小樽市は札幌市に隣接し一番近い海水浴場が小樽市の銭函海岸になり、JR札幌駅から小樽に向かって快速に乗ると最初に青い海が目に飛び込んできます。そのまま海岸沿いに走り札幌駅から小樽駅まで快速エアポートで35分程。通勤圏です。
快速エアポート車内、海岸に沿って走ります。6月7日は快晴でした。
海側席にたまたま乗客が座っていませんでした。
JR小樽駅改札口 改札の上方には無数のランプが飾り付けてあります。
小樽駅を出て坂を徒歩でだらだら下り10分弱でニトリ美術館に着きます。
ニトリ美術館地図
小樽観光地図 黄色印がニトリ美術館
小樽芸術村
2016年にできたニトリホールディングスによる芸術村:北のウォール街と呼ばれた金融の街、小樽の歴史的建造物の保存管理・研究行うと同時に自社で収集した芸術作品の一般公開をしています。
芸術村はニトリ美術館(旧北海道拓殖銀行小樽支店)、旧三井銀行小樽支店、ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)及び小樽芸術村ミュージアムショップ(旧荒田商会)の四つの歴史的建物からなっています。
ニトリ美術館(旧北海道拓殖銀行小樽支店)
似鳥(ニトリ)美術館入口
美術館入口ホール
1923年建造の旧北海道拓殖銀行小樽支店の地上4階地下1階の建物をメインの美術館てして使っています。
ニトリが美術館にする前はホテルヴィラントオタルとして営業していて実は昔友人と泊ったことがあります。もちろん当時の内装は美術館仕様に代わっています。
住所:〒470-0031 北海道小樽市色内1丁目3-1
電話:0134-31-1033
開館時間
●通常時間
5月ー10月 9:30~17:00 休館日なし
11月ー4月 10:00~16:00 毎週水曜日
●6月2日~緊急事態宣言中に付き時間を短縮して開館しています。
平日:11:00~15:00(入館は30分前まで)、土日:10:00~16:00(入館は30分前まで)
休館日はありません。(展示替え等で臨時休館日があります。)
★開館状況は変わる場合がありますのでお出かけになる前にご確認ください。
入館料
入館料 | 一般 | 学生 | 高校生 |
3館共通 | 2,000円 | 1,500円 | 1,000円 |
ニトリ美術館 | 1,500円 | 1,000円 | 700円 |
ステンドグラス美術館 | 700円 | 500円 | 400円 |
旧三井銀行小樽支店 | 500円 | 300円 | 200円 |
企画展、小磯良平のスケッチブック | 500円 | 300円 | 200円 |
※中学生以下無料 ※ミュージアムショップは入場無料
※障害者手帳をお持ちの方 無料 ※障害者手帳をお持ちの方の介護者 無料(1名様のみ)
アクセス
鉄道 JR札幌駅~JR小樽駅 | 30分毎走る快速エアポートが便利 所要時間35分程 750円 |
高速バス(中央/JR) | 10~20分間隔で運行 札幌駅バスターミナル~小樽駅バスターミナル 所要時間60分 630円、時間帯によっては市内渋滞することがあります。高台を通り途中まで海が見えます。今の時期は空いているので時間に余裕がある時はお勧めです。 |
車 | HPでご確認ください。 |
1階ステンドグラス
ルイス・C・ティファニーデザインのステンドグラス
ルイス・C・ティファニー(1848~1933)デザインのステンドグラスの展示です。名前の通り高級宝石店の跡取りとしてアメリカで生まれ様々な芸術活動ののちガラスに魅了され新しい技法を考えだしガラス産業を芸術までに高め人気を得ました。彼が新しい技法で作ったのが教会用のステンドグラスでした。
1994年にニュージャージー州で閉鎖された教会のはめられていたティファニー制作のステンドグラスが展示されています。
ヨーロッパの教会のステンドグラスとはかなり雰囲気がちがいます。教会の建物の空間で見たかったですね。
2階 企画展示 高村光雲と弟子たち、小磯良平スケッチブック展の一部展示
こちらは写真不可です。
入口入ってすぐにセーブル、パリ窯等の巨大な壺が置いてあり、その奥に高村光雲と弟子たちの部屋があります。精緻な不動明王像・聖観音像などの木彫が展示されています。
小磯良平スケッチ展一部展示:
三浦綾子作「積み木の箱」の挿絵の下絵(朝日新聞夕刊掲載時分)17点
3階 近代・現代洋画・彫刻の展示
こちらも写真不可です。
作品保護のため薄暗くなっている室内にそうそうたる洋画の巨匠の絵がずらっと並んでいるとは思いませんでした。一度に巨匠たちのそれも彼らが好んで描く題材の作品を観る機会はあまりないと思います。
参考までに1作家1点のみ書き出します:黒田精輝(裸婦)岡田三郎助(裸婦)佐伯祐三(教会)小出楢重(ばらの花)梅原龍三郎(バラ・ミモザ図)安井曾太郎(多賀風景)中川一政(薔薇)林武(富士)小島善三郎(ミモザと百合その他)荻須高徳(炭屋)小磯良平(若い娘の肖像)藤田嗣治(夫人と犬)岸田劉生(手)シャガール(窓の前の恋人たちと花)ヴラマンク(雪の村)ルオー(赤い衣装の道化師)ルノワール(女性像)ビッフェ(モンマルトル、サクレクールの鐘楼)彫刻:佐藤忠良(冬の子供)萩原義達(道標鳩)高村光太郎(十和田湖畔裸婦像のための手)岡本太郎(手の椅子)
4階 近代・現代の日本画
こちらも写真不可
こちらもほとんどすべての日本画の巨匠の作品が並んでいてついすごいとつぶやいてしましました。
参考までに1作家1点のみ書き出します:谷文晁(孔雀図)円山応挙(卓文君)伊藤若(雪柳雄鶏図)葛飾北斎(雲竜図)横山大観(龍)河合玉堂(山村春晴)村上華岳(聖蓮華観世音立影図)小林古径(浮舟)上村松園(桜可里図)鏑木清方(五月雨)横山操(赤富士)杉山寧(鳥)加山又造(華)片岡球子(富士)高山辰雄(二人)平山郁夫(月光砂漠行)東山魁夷(山湖遠望)千寿博(ウォーターフォール)
4階から歴史ある階段をパチリ
地下1階 アールヌーボー、アールデコのグラスとランプ
こちらは写真可でした。
様々なポーズをとる踊り子たちの像
カプールタラーの踊り子 ドゥメトル・シュバリウス作
まずアールヌーボーの装飾的でエレガントな像を堪能します。
そして大好きなルネ・ラリックが置いてあるアールヌーボー・アールデコの展示室に移動しそこでしばし作品を愛でます。
ルネ・ラリック
ルネ・ラリック
ルネ・ラリック 猫
奥のランプの部屋に移動します。
ドームやガレのランプが所狭しと並べられていてちょっとうるさい感じでもありましたが楽しみました。 たっぷり1時間以上滞在し一度外に出て近くにある旧三井銀行小樽支店の建物に入りお目当ての小磯良平の挿絵のスケッチと人物の素描を観ることに。
旧三井銀行小樽支店
ニトリ美術館を出て右角を曲がると旧三井銀行小樽支店の建物です。
2002年まで小樽にある最後の都市銀行として営業していました。
入ってすぐに高い吹き抜けの広いホールが目に飛び込みます。受付にチケットをみせ丁度1時30分から広い天井をキャンバスに見立てプロジェクトマッピングを5分程映すというので一人見学しました。
プロジェクトマッピング上映中
銀行の金庫、さすが厳重です。
そして渡り廊下を通り小磯良平展を見に行きました。
小磯良平スケッチ展(~6月27日まで)
小説の挿絵の下絵、女性の素描等100点余りが展示されています。
こちらも写真不可でした。小磯良平(1903~1988)は昭和に活躍した洋画家で特に肖像画は有名です。
デッサン(素描)の正確さ・うまさはずば抜けていてデッサンだけの展覧会もよく開催されていました。また彼の描く女性は例外なくいつも清楚で上品に描かれていて私には物足りないと思った記憶があります。
小磯はたくさんの挿絵を描いていて今回は川端康成の古都の挿絵や丹羽文雄の晩秋に掲載した挿絵の下書きを展示していて下書きは何度も描き直した跡がありとても興味深い物でした。そして下書きといえどもしっかりした全く狂い人物描写で素描の神様と再認識しました。
ステンドグラス美術
企画展を見終わり急いで最後の旧高橋倉庫で展示されているステンドグラス展へ。開館時間が短くなっているので焦ります。
ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫+旧荒田商会)
100年前にイギリスの教会様に作られたステンドグラスの展示でした。ヴィクトリア女王時代からエドワード朝そして第一次世界大戦までのイギリスの歴史がガラスの図柄に描かれています。
イギリスの教会に使われていたステンドグラス
まとめ
実はステンドグラス自体にはそれほど興味はなく教会の建物の一部としてしか認識しかありません。ヨーロッパのゴシック建築の教会のステンドグラスが好きで旅している時に町の中心にある壮大の建築物の扉を開けたとたん天井から七色の光あふれる空間の中で息を飲み天国に一番近い所に行きついた感じの印象が強かったからかもしれません。
ガラスの街小樽にあることもありステンドグラスを推していると思いますがそれよりも日本画や洋画等のすばらしいコレクションがあるので見ることをおすすめします。ニトリ社長が巨匠の日本画と洋画をとりあえずすべて集めて買うように指示した感じ!?がしますがそれでもこれだけのコレクションは見る価値があります。
ただ建物が美術館用に建てられてなく展示空間が狭い気がします。たとえば3階の絵画はもう少し広く展示スペースを取って4階も使うとかまた逆に4階の洋画を3階も使って展示するとか。新しい収蔵スペース(美術館)を作って欲しいですね。また地下のアールデコ・アールヌーボーのガラスやランプも展示空間も狭いです。道立近代美術館の2階の展示のように広くスペースと取り照明もうまく充てるともっと素敵に見えるのにと思うと残念です。
6月7日 小樽運河
今ほとんどお店は閉まっているので小樽運河の散歩道は人影がなく
人力車のお兄さんたちはとても暇そうです。
小樽の港 釣り人がちらほら見えます。
次回は
ニトリ美術館の
本館だけ訪問
しようと思います。
コメント